毎日メディアに「過去最多」、「前週を上回る」といった言葉が踊っており、これを聞くたびに居た堪れない気持ちになります。
大阪を中心として、兵庫、和歌山あたりの病床使用率は本日(2021年4月29日時点)で80%を超えており、沖縄は90%に近いところまで上がっています。

特に大阪の状況は深刻で、重症病床(国の基準で重症者を受け入れられる病床数)の使用率が90%まで上がってしまっており、受け入れ先のない救急患者が受け入れ先を探して46時間も待機させられるケースまで出てきています。
このような状況を記者に問われて、大阪の吉村洋文知事は下記のようなコメントをしています。
(この1年間のコロナ対策について問われて)いろんな意見はあると思うが、毎日公表して説明している。中身について不十分という意見もあると思うが、その時点での対策をなんとか判断し実行してきた
引用:大阪府の吉村洋文知事「ゴールデンウィークが最大の山場」と外出自粛をお願い(スポーツ報知)
危機管理において、「その時点での対策」を判断して対応することは重要です。ただし、それと同様に重要なことは、「危機予測 → 事前対策」という判断だと思います。
この人工呼吸受入可能ベッド数の図を、大阪と東京で比べるとよくわかるのですが。大阪は患者数が減ると人工呼吸受入可能ベッド数を減らし、患者数が増えるとあわててベッド数を増やしているということですね。知事の準備不足を糾弾したい。 pic.twitter.com/hFF6wl9c2k
— Koichi Kawakami, 川上浩一 (@koichi_kawakami) April 28, 2021
このパンデミックの最中に、まさかの重症病床数を減らしていたというのは、府民の命をあずかるリーダーの対応としてはあまり酷くないですかね。吉村知事は「予測 → 対策」の判断があまりも欠けていたと言わざるを得ないと思います。
最悪のケースを想定して、命に直結する医療崩壊を何としても避けるために、人流のコントロールだけではなく、医療体制の拡充・支援を徹底すべきということなど、素人の自分が考えても当然なことですし、多くの医療従事者が叫び続けていたことです。
今、喫緊で誰が考えても人員増強が必要な
保健所職員等を増やす気配は全くないのに副首都推進関連、咲洲庁舎に府市職員約130名
万博推進局に約60名(ATC内)配置する話をしてた大阪府。命を守るためにはどうしても人増やされへんけど、
都市計画関連や万博のためには大量に人員割くねんて。 pic.twitter.com/dFobexiCha— 大阪、医学的に分析されたデータが見たい。 (@little_tw_s) April 27, 2021
オリンピックやGO TOを推進する日本政府のコピーかと思うような大阪府の動きです。この非常時に大阪都構想や万博推進にリソースを割こうというのは流石に頭が悪すぎます。府民の命を最優先で考えてるとは到底思えません
こういったことから今の大阪で起こっている惨状は、起こるべくして起こっている人災と言ってもおかしくないでしょう。もちろん世界規模で猛威を奮っている感染症ですから、すべての責任をリーダーに押し付けてはならないですが、しっかりと総括して、悪いところは悪いと認め改善していかないと、同じことを何度も繰り返すことになります(すでに繰り返してますが…

人口や経済活動の規模といった背景が、大阪や東京といった首都圏とは大きく異なりますが、島根の丸山達也知事の対応は素晴らしく、積極的な疫学調査と感染者の隔離、情報の周知、病床の拡充といった、基本に忠実な対応を徹底した結果、島根の死者数はゼロ(2021年4月29日現在)1特設サイト新型コロナウィルス(NHK)よりは非常に立派な成果だと思います。
丸山知事は何も特別な判断をされてません。世界で行われて結果が出ている感染症対策の基本を徹底し、どう考えても感染拡大に悪影響するオリンピックの開催に対して、NOと言っているだけです。こんな当たり前の判断をしてくれるリーダーが、日本には本当に少ないんですよ
人気取りのためにテレビにばかり出ている人や、政局ばかり頭にある人、自己利益のためにものごとの優先順位がおかしくなっている人などを選ばず、丸山知事のような人を選べば、多くの命が救われます。自分も含めてですが、そのくらいの気持ちで投票するようにしていきたいですね。
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