ワクチン予約システム不備報道からわかる日本の政治・行政の無能

20210520の記事アイキャッチ 雑記

防衛省が進めていた新型コロナウイルスワクチンの大規模接種の予約サイトが酷いというニュースが話題ですね。

エラー|NHK NEWS WEB

東京、大阪のいずれの会場でも、予約受け付けのシステムが、実在しない接種券番号などでも予約が取れる状態であることがわかりました。

防衛省によりますと、予約システムは、自治体の接種券の番号とひも付ける作業は行っていないことから、実在しない番号や、番号を誤って入力しても、予約が取れるということです。

引用:ワクチン大規模接種 架空番号で予約可能状態 適正入力呼びかけ(NHKニュース)

 

 

自分はIT業界で20年、大小数百の開発プロジェクトを経験してきていますが、このレベルの不備がある状態でリリースされたサービスは見たことがありません

竹中平蔵は自民党から金を巻き上げる天才。ワクチン接種で今度は防衛省から中抜き、システム運用会社役員に“詐欺師”の名 - まぐまぐニュース!
自衛隊が運営する新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターの予約で、実在しない市区町村コードや接種券番号を使っても可能になっていることが17日、明らかになった。菅義偉首相の肝いりで始まる試みだが、システムの運営会社の…

これを開発した会社は上掲の記事によると「マーソ株式会社」とのこと。

MRSO
マーソ株式会社は『予防医療 × テクノロジー 』という事業を通じて健康寿命8年の延伸に挑戦し、一人一人が健康で幸せに過ごせる時間を創造します。

この会社のサイトを見る限り、割と実績はありそうな気がします…

あと資本金も1億ありますしすし、大きめのファンドや企業から出資も受けているようです。(ソフトウェアハウスとしては中規模以上と言えると思います)

 当社WEB予約サービスは、幅広い地域/人口規模の自治体様でご利用をいただいており、元々全国100以上の自治体様で導入実績がある仕組みです。

今回は非常に多くの自治体様に評価をいただき、全国300以上の自治体様で採用見込となっております。

<導入事例抜粋>
埼玉県川口市/愛知県名古屋市/岐阜県岐阜市/広島県広島市/鳥取県鳥取市

引用:自治体様向け 新型コロナウイルスワクチン接種 WEB予約サービス開始!(マーソ株式会社)

こういうのはどうとでも書けるんで、何の根拠にもならないとは思うんですが、文字通りの実績(100以上の自治体へのサービス導入実績)があるのであれば、今回の件はかなり不思議な話です。

自分はIT業界で20年ほど開発にたずさわってきて、大小数百の開発プロジェクトを経験していますので、こんな中学生でもつくらないようなシステムを、このレベルの会社がつくるとは思えないんですよね

こういったサービスは、クライアントからの発注のたびに一からつくるということはなく、予約システムを一回つくったら、それをベースにしてクライアントの要望に合わせてカスタマイズして納品しているはずです。

こんな不備だらけのシステムしかつくれないのであれば、この会社のサービスは既に他のクライアントで大問題になっていると思います。

そうすると考えられるのは、防衛省側の発注要件が杜撰で酷い内容だったのではないかということです。真偽はわからないのですが、日本政府や官僚機構の異常なまでのITリテラシーの低さをみるに、この辺りが一番可能性が高そうな気がしています。

あとは一番頭にくるのがこの会社の役員一覧にある、見覚えのあるこの名前です。

 

経営顧問:竹中 平蔵

 

平蔵、またお前か

 

こやつのことも大問題ではあるんですが、今回は竹中平蔵さんの話は置いといて、一番問題なのは国家プロジェクトで進めていたワクチンの大規模接種予約システムが、このような不備だらけで公開されていることです。

大規模接種ウェブ予約 架空の数字で登録可 券番号も、年齢も | 毎日新聞
 東京23区と大阪市の住民を対象に17日始まった新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け大規模集団接種のウェブ予約で、実際の接種券に記載されていない架空の数字を入力しても予約ができることを、毎日新聞記者が複数の数字で確認した。予約の対象は65歳以上だが、65歳未満となる生年月日を入力しても予約できるこ

毎日新聞や朝日(アエラ)は、システムの不備に関して裏取り(ニュースソースの真偽の検証)をした上で、具体的に上掲のような内容の記事を公表したわけですが、この報道に関して斜め上からトンデモ批難を始めた兄弟がいるんですよ

安倍前首相「朝日、毎日は極めて悪質な妨害愉快犯」コロナワクチンの予約システム不備報道で:東京新聞 TOKYO Web
自衛隊が運営する新型コロナワクチンの大規模接種センターで、架空情報でも予約できるなどのシステムの不備を朝日新聞出版と毎日新聞社が報道し...

頭がお悪い兄弟とは思っていましたが、これは酷すぎますね…

毎日、朝日の記事は、報道する内容の裏取りをするという正当な手順を踏んだものである上に、行政が用意したシステムに関する重大な不備を国民に知らせるという公益性に則ったものです。

不正な予約を助長しているというのが、岸信夫防衛大臣と安倍晋三さんの主張ですが、これは自分たちの責任を転嫁した頓珍漢な意見です。システムを統括する責任者(ここでは防衛省・防衛大臣)は、このような重大な問題を検知しした時点で、即座にユーザーからのアクセスを遮断して一時的にサービス停止状態にするべきです。

なぜならば、報道のある/なしに関わらず、サービスが公開されている以上、ユーザーが意図ぜず誤った情報を入力して、予約をしてしまう可能性があるからです。アクセス可能である限り誤った予約の件数が増えていきますので、対応完了まではシステムを停止するのが正しいことに誰も異論はないでしょう。(完全に改修できないまでも、不正を防ぐ一次対応まではするべき)

まさか、国家の国防をあずかる省庁が、管轄のシステムの重大な不備を報道で知るということはないと思うので、安倍/岸兄弟の主張はわけがわかりませんね。

エラー|NHK NEWS WEB

このような恫喝とも言えるトンデモ批難に報道を萎縮させないためにも、野党のこの主張は徹底するべきです。日和ってはいけませんよ

リベラル系の人たちの中にも、安倍/岸の詭弁に同調している人が散見されますが、問題の本質は行政の無能であり、その解決策と再発防止には責任の追求が必須です。今回の報道により不正予約等の実害が発生することなど、行政がしっかりと障害対応をしていれば起こることはあり得ませんので、その辺りも含めてよく考えて頂ければ幸いです。

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