6月7日の朝にJOCの経理部長が亡くなったというニュースが流れました。
東京都品川区東中延2丁目の都営地下鉄浅草線中延駅で、日本オリンピック委員会(JOC)経理部長の男性(52)が西馬込発泉岳寺行き普通電車にはねられ、死亡した。捜査関係者への取材で分かった。線路に飛び込んだとみられ、警視庁が自殺とみて調べている。
捜査関係者によると、男性が2番線ホームから1人で線路に飛び込む姿を駅員が目撃した。遺書は見つかっていない。乗客や乗員にけがはなかった。
警視庁は目撃証言と状況から、故人が自死した可能性が高いと判断して調査を行っているようです。
ネットでは会計不正の口封じかなどと色々と物議を醸しているようですが、それらに関しては推測の域を出ないので一旦置いておくとして、自分はJOCの山下泰裕会長の発言に違和感を感じました。
遺族と話したという山下会長は「ご遺族は警察が自殺と認定していることに納得していない。事故死ではないかと思われている」としたうえで「(報道で)飛び込んだって書いていますけど、ちゃんと警察に確認してほしい。頭の側面にしか(車両が)当たっていない。飛び込んだっていうのと全然違うでしょ」と疑問を呈した。
(中略)
ホームに飛び込んだと証言していた目撃者は一番前の駅員だったといい、山下会長は「(男性は)いつも後ろから2両目に乗っていた。一番前とはすごい距離がある」とした上で「例えば、電話をしてフラッとして当たったことだってあり得る」として自殺説を完全否定した。
引用:JOC経理部長の死去 山下会長「飛び込んでいない。頭の側面が(車両に)当たった」(東スポ Web)
故人のご遺族が自死を否定する気持ちは理解できますし、「遺族によれば男性は普段と変わらない雰囲気で、家族仲も非常に良かったという」と記事に書かれているように、遺族にしかわからない根拠もあるのだと思います。
しかし、山下会長が頑なに自死じゃないと断言するのは不自然です。新聞各紙やテレビの報道では「警視庁」が自死の方向で調査していると報じているにも関わらず、山下会長は故人の頭の側面にしか(電車が)当たっていなので故人は電車に飛び込んではおらず、自死ではなく事故なのだと主張されています。
そういった状況を踏まえても警察が自死の可能性が高いとして調査しているわけですから、それだけを根拠に事故だと言い切るのは無理があるでしょう。
あと山下会長が主張している目撃者の話も、報道内容とは異なっているようです。
死亡したのは、JOC(日本オリンピック委員会)幹部の森谷靖さん(52)とみられていて、電車の運転士が、「男性がホームから線路に入ってきた」と話していることなどから、警視庁は、自殺とみて調べている。
引用:JOC幹部職員が自殺か 電車の運転士「ホームから線路に入ってきた」 (FNNプライムオンライン)
電車に接触したわけですから、運転士が目撃している可能性は高く、運転士の証言が上記の記事通りなら、山下会長の「(目撃者と事故現場には)すごい距離がある」という主張は間違っていますね。これら一連の山下会長の発言はものすごく胡散臭いです。
そして気持ちの悪い擁護記事まで出てきました。
(JOC関係者の発言)「不見識もはなはだしい。『五輪のカネ』をめぐる疑惑が、これまであったのは事実です。でも、それは招致委や組織委の話。経理部長は、招致委や組織委に出向した事実もない。いま有象無象に沸き起こっている“疑惑”のほとんどが、彼とまったく関係ない話なのです。一連の報道は、JOCという組織についての理解不足が起因したミスリードです」
引用:「JOC経理部長」自殺報道に関係者が激怒 JOCを組織委や招致委と“混同”のお粗末(デイリー新潮)
JOCと招致委員会、組織委員会が別の組織であることは事実だと思いますが、だから何だと言うのでしょうか。竹田恒和氏(当時のJOC会長)の不正招致疑惑を始めとした、五輪絡みの数々の疑惑・不祥事は無関係だと言ってるのなら、頭のネジが2、3本外れているのでしょう。
腐るほどあるJOCに関する疑惑・不祥事については、下記のnoteに過去の関連記事リンクが網羅されていますのでぜひ御覧下さい。吐き気がしますよ
こんなまともじゃない団体の職員が疑惑の死を遂げれば、陰謀論者なくても疑念を持たざるを得ないでしょう…
JOCは報道に激怒する前に自分たちのあり方や振る舞いを正して、人々に対する信頼回復をまずは目指すべきかと思います。