体調不良にてBLOGの更新が滞りました…(コロナではなかったです
書きかけの投稿が残っていたので加筆してエントリーします。
昭和大学の元講師が大量の不正論文を提出していたという記事が毎日新聞に出ていました。
捏造・改竄された論文が142本ってすごい
そして医学部麻酔科っていうところが闇深いですよね…命に関わる分野で不正論文って恐ろしい。
気になったので日本の不正論文に関して調べてみたら次の記事が出てきました。
「一般的に研究室のトップには教授がいて、その下に部下ともいえる研究者がいる。日本では、儒教的に年長者を敬う意識が強いですから、仮に教授や先輩研究者が不正を犯していても告発できない空気になっています。また、直接不正の指示はなくとも『もっといいデータを出せないのか』と言われれば、そこに忖度が発生するでしょう。従わなければ将来が閉ざされるように感じる。ここが欧米と日本の大きな違いです。告発側が守られていないのです」
引用:日本が世界トップの論文不正大国になってしまった理由(ダイヤモンド・オンライン)
これは分かる気はしますね…
最初の記事の上嶋氏の話もこのまんまの話でしたね。
調査報告書によると、上嶋氏は業務に対する姿勢が勤勉で、麻酔技術は外部から高い評価を受けていたという。上司の大嶽氏は、多くの論文を執筆する上嶋氏を信頼していたため、研究内容を定期的に確認せず、上嶋氏に任せきりにしていた。上嶋氏は若手医師を高圧的な態度で指導し、共著者とされた助教は上嶋氏の指導を受けられなくなることを恐れ、指示に従わざるを得なかったという。
引用:昭和大 医学部元講師の改ざん論文142本を不正認定し処分(毎日新聞)
研究内容を管理する責任のある大嶽氏は、論文筆者の上嶋氏を信頼していたから管理せず、共著者とされていた現助教は、当時先輩に当たる立場にあった上嶋氏に(おそらく不正を知っていたが)逆らえなかったわけです。
これは要するに、上司が気に入っていたら、不正のチェックは一切行われず、上下関係が存在したら不正を指摘することが出来ないということですよね。
上記の記事に示されているように、2020年時点での世界の不正論文数ランキング(不名誉の極み)で、日本人が1位・3位・4位・6位を占めてますが、2021年最新版には上掲の上嶋氏が堂々の2位にランクインして、ついに日本人が世界の不正論文ランキングトップ10の半分を占めることになりそうですね
これらの記事を読んで見えてくるのは、日本の研究者の世界で不正がはびこっている理由は、研究者の質というものが問題の核心にあるのではなく、権力者への忖度なくして出世できないような構造にこそ問題があるということです。
逆にこういった構造の中で出世できる人の多くは、政府や組織、管理者や上役といった権力側への忖度力の高い人物とも言えますよね。
一般的な企業なんかでも出世する人は、いわゆる上司におもねるタイプが多いというのは、多くの人たちが感じているんじゃないかなと思います。
尾身茂氏を筆頭とする専門家会議の政府への忖度ぶりがいい例ですよね。科学が政治に忖度してしまっては、全く意味をなしません。政府の発信を権威づけるだけの単なる害悪でしかありません。
この記事にあるように、最近の主なクラスター発生源は、職場・学校・医療機関・福祉施設であり、政府が名指しで論ってきた夜の街、飲食店ではありません。
感染拡大を積極的に抑えるべきであれば、今政府が行っているような飲食店への規制ではなく、職場や学校で人が集まることを規制し、医療機関や福祉施設の感染対策への支援を徹底するのが合理的でしょう。
そういった合理的な方向へ政府方針が向くように、意見具申するのが専門家会議の存在意義なのですが、今までの経緯をみるに、まったく機能してませんよね…
政府閣僚、官庁、大学といった多くの権威あるポジションを占める人々が、本来その立場で必要とされる能力よりも、権力への忖度力で選出されているとするならば、機能不全を起こして混乱を極める現状の説明もつきます。
真摯に研究を続ける人、科学的な見地から正しい意見を述べる人が排除されて、権力へおもねる宦官がはびこる腐敗した社会に、明るい未来があるのでしょうか…